つづき
それから若者はその頭巾を
持ち歩くようになりました。
ある日、若者が畑仕事をしていると
急に雨が降ってきました。
それで畑に一本だけ立っている木の下で
一休みすることにしました。
狐にもらった頭巾を雨よけにかぶると
それまでチュンチュンと聞こえていた
スズメたちの鳴き声が
急に人の話し声になって
聞こえてきたのです。
「庄屋さんの娘は近頃具合が悪いらしい」
「庭の井戸を埋めて蔵を作ったからだろう」
「それで井戸の神さまが
お怒りになってしまわれた」
話を聞いて若者は娘が気の毒になり
庄屋さんの家に行くことにしました。
ルッチ、ソファの背の上で寝てる。