仙女(つづき)
「仙女」(つづき)
姉娘は玉の輿に乗った妹娘が
うらやましくてなりません。
それで自分も水がめを持って
村のはずれの泉に行くことしました。
姉娘が泉で水を汲んでいると
みずぼらしいなりをしたおばあさんが現れて
「水を汲んで飲ませてもらえないか」と
姉娘に頼みました。
姉娘は「あんたに水を飲ませてやる義理は無い。
自分で勝手に飲むといい」と言いました。
おばあさんは
「あんたに不親切の後悔をさせてやろう」と言って
泉の中に消えて行きました。
姉娘はぷりぷり怒りながら家に帰り
母親に話そうと口を開いた途端、
口から醜い大きなヒキガエルが飛びだしました。
姉娘が口を開くたび、気味の悪いヘビやカエルやヤモリ、
そして腐った木の実や果物が飛びだします。
姉娘の噂は国中に広まり、
誰も母親と姉娘を相手にしなくなりました。
そのうちに母親は「こんな娘は家に置いておけない」と
姉娘を家から追い出してしまいました。
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夕立のあと。