仙女
「仙女」
昔あるところに、心の優しい娘が
意地悪な継母と姉と一緒に暮らしていました。
継母は血の繋がらない妹娘を疎ましく思い
あれこれ用事を言いつけてはこき使い、
姉娘は妹娘をいじめました。
ある日継母は妹娘に
「村はずれにある泉まで行って水を汲んでこい」と
命じました。
妹娘は重い水がめを抱えて泉まで行くと
水を汲み始めました。
そこへひとりの美しい女の人が現れると
妹娘に「疲れてしまったので水を飲ませてくれないか」と
頼みました。
娘は柄杓で女の人に水を飲ませてやりました。
女の人は「あなたの親切に何かお礼を
さしあげましょう」と言うと
泉の中に消えて行きました。
帰りが遅くなった妹娘を継母が叱ると
妹娘は「おかあさん、実は」と口を開きました。
すると妹娘の唇のはしから美しい花がこぼれ落ちました。
妹娘が話すたびにその口からは美しい香りのよい花々や
色とりどりの宝石、金貨や銀貨などが
こぼれ落ちてきました。
妹娘の噂は国中に広がり、王様の耳にも届きました。
そして王子の妻にと望まれ、城に嫁いでゆきました。
(つづく)
☆★☆
今日もドアの前で待ってます。