コイケさん、インドへ旅立つ
好物のガストのチーズハンバーグを前にして
何の脈絡もなく
突如として蘇るあの記憶・・・
あの日妻は言った・・
「お義母さんから預かった13万円、
取り合えず銀行に入れておいたから・・」
預かったということは
いづれは返さないとならない金・・
その金を、俺は黙って勝手に引き出した・・
そして遣った・・
何に遣ったか、それは言えない・・・
それは俺と神との固い約束・・
真実を知った妻は
一言も俺を責めず、涙も見せず
おふくろにチクったりもしなかった・・
ただその瞳に深い悲しみと諦めの色を俺は見た・・
そして俺はインドに旅立った・・
つづく・・
(もう帰ってこんでいいよ・・)