なずなちゃん「宝物」
なずなちゃんはお母さんにビスケットの空き缶をもらって
宝物をしまっておくことにしました。
缶の底にタオルのハンカチを敷いて
大事なものを並べます。
カケル君にもらったビー玉。
お祭りの縁日で買ってもらった
キラキラの赤いガラスがはまった指輪。
海岸でお母さんと一緒に拾った
すべすべしたガラスの欠片。
おばあちゃんがくれた
小鳥の形の小さなブローチ。
「おかあさんの宝物はどこにしまってあるの?」
なずなちゃんがお母さんにそう尋ねると
お母さんはちょっと考えて
こう答えました。
「おかあさんの宝物は・・
今、おかあさんの眼の中にあるよ」
「おかあさんの眼の中?」
「そうだよ。今お母さんの眼に映ってるなずなが
おかあさんの宝物だよ。」