お話「ねこのくるみちゃん」
ねこのくるみちゃんは
お家で洋裁のお仕事をしています。
ヤマモト夫人はお得意さまで
週に一度のお習字のお稽古では
いつも隣同士、たのしくおつきあいしている仲です。
「ねぇ、くるみさん、
あたし最近太ってしまったみたい・・
お洋服がどれもキツキツで・・
ほら、クリスマスやお正月があったでしょう?」
「・・・」
「ダイエットしようと思ってるんだけど・・
それまで楽に着られるニットのお洋服を
編んで作ってほしいのよ。」
「ええ、もちろんいいですよ!」
☆☆☆
ヤマモト夫人はさっそく毛糸を買って
くるみちゃんの家を訪れました。
とてもきれいなミントグリーンの毛糸です。
「これで足りるわよね?
ちょっと多めに買ってきたのよ。」
「・・・(うーん、大丈夫かなぁ・・)
とにかく編んでみますね。」
☆☆☆
くるみちゃんが心配したとおり
編んでいくうちに
毛糸が足りないことがわかりました。
(困ったわ・・
「足りない」なんて言ったら
ヤマモト夫人を傷つけてしまうかも・・
とても言えないわ・・)
くるみちゃんは毛糸屋さんに行って
足りない分の毛糸を買ってくることにしました。
つづく