レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

秋色 平岩弓枝 下巻

世紀は戸籍上、祖母の娘になっており、
ほかに祖母が遺言を残していたこともあって
祖母が経営していた旅館の権利他
莫大な財産を相続します。


良衛は世紀の祖母から自分が作る旅館の開業資金を
融通してもらう心づもりをしていました。
しかし世紀が良衛に力を貸すとはとうてい思えませんでした。


そこで奈津美がこんなことを言い出します。
「世紀を認知してくれるのなら
私から世紀を説得してもいい・・」


奈津美自身の財産はすでに粗方旅館建設に
つぎ込んでしまっていました。


良衛は世紀を認知します。
そしてそれを菊子に話します。
菊子に隠し通すことは
不可能であると悟っていました。


「やはり世紀さんはあなたの子供だったのですね」


菊子は良衛に離婚を申し出ました。



新八郎のもとに世紀から連絡があり、
会うと世紀は大学を辞め、新八郎との付き合いも
これまでにすると言います。
祖母が残した旅館を
これから自分が続けていかなければならない、
そして母が菊子の土地に建てる旅館に執着していることで
これからいろいろトラブルが起こるだろう、
新八郎に迷惑をかけられないというのがその理由でした。


世紀の意志は固く、新八郎にはなすすべがありませんでした。
なによりも世紀とどうしても結婚したいのかどうか、
自分自身の気持ちがわからなくなっていました。


つづく