秋色 平岩弓枝 下巻(おわり)
奈津美は晴れて良衛と結婚できると
浮かれていましたが、
自分の使用人である真田という男に
首を絞められて殺されてしまいます。
真田は奈津美の娘の世紀に昔から好意を抱いており、
奈津美は世紀との結婚を餌に
真田をいいように使っていました。
新しく出来る旅館でも
いいポストにつけてやると
口約束をしていました
しかし
「あんたは世紀とは結婚できないわよ。
今野に認知されて
世紀はどこに出しても恥ずかしくない娘になったの。
どんな立派な家の男とでも結婚できるんだから
あんたなんかと・・」
真田は犯行後、飛び降り自殺しました。
ひっそりと執り行われた奈津美の通夜、告別式に
今野は顔を出しませんでした。
☆
数か月後、新八郎は今野良衛の近況を知ります。
良衛は愛人と隠し子、そして殺人事件のことを
マスコミに騒ぎ立てられ、
その上、脳血栓を起こし、病院に入院していました。
新八郎が病院に見舞うと
菊子が良衛の看病をしていました。
菊子は離婚を取りやめ、
良衛と奈津美が建てていた旅館も人に譲ったと
新八郎に話します。
「今野がこうなって、はじめて夫婦の情愛がわいたような
気がします。
哀れみかもしれませんが、蔑みじゃないだけ
いいと思っています。」
社会復帰が難しい夫に付き添いながら
菊子は以前よりも若く生き生きしていると
新八郎は感じるのでした。
☆
新八郎は伊豆にいる世紀を訪ねます。
新八郎は自分が教師と生徒という関係に
拘り過ぎていたことに気が付きました。
「また振られるかもしれないが君にプロポーズするよ」
「私は先生を嫌いになったことはありません。
ただ大事なものを失うのが怖かったのです・・」
新八郎は
祖母から旅館を受け継ぎ
大きな責任を負った世紀を一生支えていこうと
決心したのでした。
おわり
☆☆☆
話をまとめるのが下手で
長くなり、分かりにくい部分もあったかと思います。
ご容赦ください。