秋色 (下巻)
菊子は知人から
夫の愛人とその娘の存在を知らされます。
そしてその娘が
自分が惹かれている
椿井新八郎と親しいらしいということも。
新八郎のアパートを訪ねた菊子は
そこで世紀と会います。
菊子はシドニーで世紀を見かけたことを
思い出すのでした。
菊子が夫の良衛を問い詰めると
良衛は菊子を言いくるめます。
「君が私の愛人だと疑っている人は
昔世話になった人の娘だ。
なので今でも付き合いがある。
それに
私には子種がないんだよ。
君と10年結婚していて
子供が出来ないのはそのせいだ」
☆
菊子は夫の口から
菊子の実家の土地に高級和風旅館を建てたいという
計画を聞きます。
菊子は良衛の愛人である寺田奈津美の実家が
伊豆で旅館を経営していることを
聞いて知っていました。
夫を信じきれなくなっていた菊子は
実家の土地の登記簿や実印を
夫に内緒で自分名義の銀行の貸金庫に
預けるのでした。
菊子の考えはある方向に向かっていました。
☆
まだ続きます。