なずなちゃん
ある日、なずなちゃんはおとうさんとおかあさんと
海までドライブしました。
三人で海岸を散歩してると
おかあさんがしきりに足元を見て
何かを探しています。
「シーグラスを探してるのよ」
「シーグラス?」
「あのね、瓶のガラスのかけらが
砂に洗われてすべすべになったのを
そういうの」
おかあさんは掌には
小さな青くて丸っこいガラスのかけらが
ひとつ乗っていました。
なずなちゃんも一緒に探して
帰る頃にはおかあさんの掌がいっぱいになるくらいの
シーグラスが拾えました。
白や青や緑や赤やピンク色のシーグラスもありました。
おかあさんはおうちに帰ると
シーグラスを綺麗に洗ってガラスの瓶に入れると
窓のそばに飾りました。
「ね、きれいでしょ?」
「うん、きれいだね!」
ふたりのそんな姿を見ながら
(おれにはゴミにしか見えん・・)と
おとうさんは思ってましたが。
黙っていることにしたのでした。