なずなちゃんはおかあさんと行った雑貨屋さんで
とってもかわいいハンカチを見つけました。

それはなずなちゃんの好きな水色のハンカチで
きれいな白いレースの縁どりがしてあって、
何よりも気に入ったのは
刺繍されている猫が
なずなちゃんのすずに
そっくりなのです。

「おかあさん、これ、欲しい」

「・・なずなはハンカチ、いっぱい持ってるよね？
それにこのハンカチはなずなよりも
ずっとおねえさんが使うものだよ。
なずなが使うには大きすぎるよ。」

「でも・・」

おかあさんにそう言われても
なずなちゃんはあきらめきれません。

そのうちになずなちゃんの目に
涙が浮かんできました。

「・・困ったわね。
そうだ、つぎのお誕生日に買ってあげる。
それまで我慢できるね？」

「・・絶対？」

「絶対よ。約束ね。」

次の日、おかあさんはお店に行って
猫のハンカチを買うと
お店の人にプレゼント用の包装をしてもらいました。

なずなちゃんのお誕生日はこの前終わったばかりです。
次のお誕生日までには忘れてしまうでしょう。
でもおかあさんはなずなちゃんが
もう少し大きくなったら
そのハンカチをあげようと思ったのです。

おかあさんはハンカチの包みを
大事に引き出しにしまいました。