小さな手紙 〜レモンタルトの夢〜

イラスト、昔ばなし、愛犬の写真など

かみなり 平岩弓枝

長崎の奉行所に通訳として勤める来助は、

自分がもとは米屋の倅だったのを

引け目に感じていました。


来助は自分が気に入らないことがあると

大声でがなり立てることから

来助ならぬ雷助だ、などと

陰口を叩かれる男でした。



来助の長男、新之助の許嫁の梢は

母一人子一人ながら

亡くなった父親が侍でした。


それで来助も二人の縁組に

乗り気だったのですが、

梢が異国人に乱暴されるという

事件が起こります。


世間体を気にして

来助は二人を無理やり別れさせ


自棄になった梢は

異人相手の娼婦に身を落とし、

新之助と下の兄弟たちは、

来助の横暴さに反発して

家を出て行きました。


それから1年後には、

「あなたにはずっと役立たずと言われてきた。

子供たちが大村で米屋をやっていて

私に来て欲しいと言っている」と

妻も来助の元を去って行きました。