一休さん
京都のあるお寺に一休さんと言う賢い小僧さんがいました。
ある冬、近所のご隠居さんがお寺に毎晩やってきて
和尚様と碁を打つようになりました。
夜遅くまで碁を打っているので、小僧さんたちは眠れません。
和尚様より先に小僧が寝ることは許されていませんでした。
そこで一休さんは寺の入り口にこんな張り紙をしました。
「けものの皮を着ているものは、寺に入れません」
ご隠居さんはいつも袖なしの動物の毛皮で作った羽織を着ていました。
ところがやって来たご隠居さんは
張り紙を読んでも平気で寺の中に入ってきます。
一休さんはご隠居さんに
「殺生は仏の教えに反します。寺に入らないでください。」
するとご隠居さんはこう言い返しました。
「では寺の中にある太鼓はどうだ。
太鼓には動物の皮が張られているはず。」
一休さんは落ち着き払ってこう言いました。
「そうです。なので太鼓は罰として毎日叩かれています。
ご隠居さんも罰を受けますか?」
ご隠居さんは一本取られたと言って帰っていきました。