昔話「きつねとたぬきの化けくらべ」
昔昔、ある村に化け自慢のきつねとたぬきがおりました。
ある時、たぬきがきつねに言いました。
「どちらが村で一番の化け上手か
二人で化けくらべをしてみないか」
きつねはたぬきの話に乗り、
翌朝村のお寺で待ち合わせる約束をして
ふたりは別れました。
翌朝、たぬきは得意の人間の花嫁に化けて
お寺に行きました。
しかし、きつねはまだ来ていません。
お昼まで待ってもきつねは来ませんでした。
お腹がすいてしまったたぬきは
お寺のお堂の前に供えてあったお饅頭に手を伸ばし
口に入れようとした瞬間、
お饅頭が言いました。
「わーい、勝った勝った!」