「自分の価値」曽野綾子
曽野綾子さんのエッセイ、「自分の価値」を読みました。
印象的だったエピソード・・。
曽野さんは学生時代の友人のひとりの女性と
年をとってから、
また親しく付き合うようになったのだそうです。
そのお友達のご主人は、いわゆる亭主関白で、
お友達はずっとひとりで自由に出歩くことは
できなかった・・
で80歳を過ぎて、ご主人が亡くなった時、
女性は膝が悪くして、歩くのに難儀するようなっていた。
それで曽野さんが、自分と懇意の医者を紹介して
お友達は膝の手術をしてもらうことに。
手術が終わってお友達が楽に歩けるようになったら
旅行に行こうと、ふたりは計画していたそうです。
入院するという日の朝、
お友達は自宅でシャワーを浴びようとお風呂に入った。
でもなかなか出てこず、家族が風呂場に見に行ったら
お友達は、中ですでにこと切れていた・・。
「友人はきっと
これから膝を治して自由に歩けるようになるという
希望を抱いたまま亡くなった。
それはそれでよかったのかもしれない。
でも私にはどうしても心残りだった。」
曽野綾子さん、若い頃のお写真を見ると、
ものすごくお綺麗・・。
歯が丈夫で、年を取って手の力が無くなってから
歯でペットボトルの蓋を空けているそうです。
現在89歳。