「ねぇ、おかあさん、
何か箱、ちょうだい・・ちいさいの。」

「何に使うの？」

「あのね、大事なものを入れてずっとしまっておくの。
それでね、大人になったら開けるの。」

「（タイムカプセルのつもりかな？）
何を入れるの？」

「内緒・・」

なずなちゃんはお母さんにもらった空の紙箱を持って
隣の部屋に行くと
何やらごそごそやっていました。
やがて箱を手に戻ってくると、

「これ、お母さん持ってて・・」

箱にはしっかりテープが貼ってあって
中を見られません。

（好きな男の子に何かもらったのかな）

翌日・・

「お母さん、昨日の箱、出して・・」

「え、どうするの？」

「やっぱり、今食べる・・」

「食べる？箱、何が入ってるの・・」

「昨日、お隣のおばちゃんがくれたアメ・・」

「・・・」