レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

映画 離愁

主演 ロミー・シュナイダー
   ジャン=ルイ・トランティニャン



終戦まであと5年、第二次世界大戦中。
ドイツでラジオ修理店を営むジュリアンは
身重の妻と子どもと共に疎開列車に乗り込みます。


妻と子は客車にジュリアンは貨物車に。
列車はそのうちに切り離されます。


ジュリアンの乗った車両には
アンナという若い女が乗っていました。


アンナは裕福な家庭で育ったユダヤ人で
ナチスからたった一人で逃げてました。
家族はすでにナチスに連行されていました。


美しい風景の中を列車は走ります。


アンナはほかの乗客からスパイではないかと疑われますが
ジュリアンは身を挺してアンナをかばいます。


アンナはジュリアンに心を開き
身の上話をするのでした。


空から機銃掃射を受けて何人かの乗客が命を落とすなど
さまざまな出来事が起こり
その中でジュリアンとアンナはお互い惹かれ合っていきます。


やがて列車は目的地に到着。
通行証を持っていないアンナは
そこで足止めになりそうになりますが、
ジュリアンは「自分の妻だ」と言い
通行証が発行され
アンナも無事に列車を降りることが出来ました。


「あなたについていくわ」


「・・でもドイツ軍がいるよ」


ジュリアンは戸惑いを見せます


ジュリアンの妻が無事病院で出産していたことがわかり
アンナは何も言わず去っていきました。


それから3年後、妻と子と平穏に暮らすジュリアンに
ゲシュタポから召喚状が届きます。
アンナが持っていた通行証のために
取り調べを受けることになったのです。


取調室で
いくつかの質問の受けたあと
係官が言います。


「何かの間違いだったようですね。
お帰りいただいて結構です。
でもその前に・・ちょっと会ってみてはどうですかな・・。」


アンナが部屋に連れてこられました。


お互いに表情を変えず見つめ合うふたり。


ジュリアンはそのまま部屋を出ようとして
ドアの取っ手に手をかけたとき
意を決したように振り返ります。


「おやおや、やはりご存じだったのですね」


ジュリアンはゆっくりアンナに歩み寄り
アンナの頬を両手で優しく包み込むでした。


おわり


途中休憩のために下車して
語り合うふたり。


☆☆☆
原作はフランスの作家、ジョルジュ・シムノン。
原作では男は女を密告するのだそうです。


戦時には自分や家族の命を守るためには
どんなこともしないといけない・・
ということもあったのかも・・と思ったのでした。