「ワーカーズダイジェスト」津村喜久子
あらすじ
32歳の佐藤奈加子はデザイン会社に勤め、
副業にライターをしています。
ある日仕事で建設会社に勤める
佐藤重信に会います。
ふたりは同じ苗字で、偶然にも同じ生年月日でした。
打ち合わせをすませた後
ココ壱でまた顔を合わせますが
食事をすませると
特に何も言わず別れます。
☆
奈加子は学生時代から長く付き合っていた恋人と
うまくいかなくなり別れたばかり、
面倒なクライアントに悩まされ
同僚の女性に理由も分からずつらく当たられています。
一方重信は担当するマンションの近隣住民の一人から
度重なるクレームを受けます。
執拗に電話をかけてくるその住民は
重信の学生時代の同級生ではないかと
思われました。
ただ当時特に関係があったわけではありませんでした。
☆
ふたりは時々、打ち合わせで一度だけ会った
同じ苗字で生年月日が同じ人物を思い出します。
重信のお気に入りの食堂の紹介記事を
雑誌で奈加子が書いていたりしました。
☆
ふたりは何とか仕事上のトラブルを乗り越え
新しい年がやってきます。
☆
重信が年末のボーナスで買った鍵盤ハーモニカを
公園で練習していると
偶然奈加子が通りかかります。
言葉を交わすふたり。
重信は「今日はもう家に帰って寝たいとは
思わないだろう」と考えるのでした。
おわり