絵姿嫁さま その三 イラスト
「絵姿嫁さま」 その三
その頃、飛んで行った嫁さまの絵は
殿さまの住むお城の庭に落ちておりました。
その絵を拾って見た殿さまは
「なんと美しいおなごであろう。
ぜひに奥方にむかえたい」と思いました。
殿さまは家来たちを集めて
「国中を探して何としてもこのおなごを
城に連れて来るように」と
命じました。
家来たちはあちらこちら尋ね歩き
とうとう若者の家にやってきました。
嫁さまを一目見た家来は
すぐにあの絵のおなごに違いないと
嫁さまを城に連れて行こうとしました。
「お城に行くのは勘弁してください」
若者と嫁さまは頼みましたが、
やはり殿さまの命令にそむくことは出来ません。
嫁さまは若者に
「年の暮れになったらお城に門松を売りに来て下さい、
きっとですよ」とそっと耳打ちすると
泣きながら家来に連れられて行ってしまいました。
つづく
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クリスマス♪