田植えの手伝い その一
昔働き者の田吾作という男が
おりました。
毎年田植えは息子とやっていましたが
今年は息子が足にけがをしていて
田吾作ひとりですることに
なりました。
田吾作は朝から必死で働きましたが
なかなか仕事ははかどりません。
するとどこからか
見知らぬ寺の小僧さんが
現れて
田植えを手伝い はじめました。
小僧さんと田吾作は二人
楽しい歌を歌いながら
どんどん苗を植えていきました。
やがて夕暮れになり
お寺の鐘が鳴りはじめると
小僧さんはもう帰りますと
慌てて走り始めました。
そして田んぼの中で
転んでしまったのです。