さるまさむね その四
さるまさむね その四
「変だぞ」
「いったいどこへ持って行くんだろう」
と飛脚のふたりは
サルのあとを追いかけて峠を登りました。
そして峠の途中まで来ましたが
サルの姿は見えなくなってしまいました。
「大変だ、逃げられてしまった」
「命を助けてやったのに、
とんでもないことをする奴だ」
ふたりは困り果ててしまいました。
ご状箱の中には
殿さまの大事な手紙が入っていたのです。
手紙を無くしてしまっては
もう旅を続けることはできません。
ふたりはガッカリして
松の木の根元に座り込んで休むことにしました。