イソップ物語「ツバメと小鳥」
ある日、ヤドリギが育っているのを見つけたツバメは
「困ったことになった」と呟きました。
ヤドリギの実から鳥もちが作られることを
知っていたからです。
ツバメは仲間の鳥たちを集めて言いました。
「人間のところに行って、
鳥もちで鳥を捕まえるのをやめて欲しいと
お願いしよう」
しかし他のスズメやヒヨドリやメジロなどは皆、
「人間がこちらの言うことを聞いてくれるはずがない」と
ツバメの話を聞く耳を持ちませんでした。
仕方なくツバメは一人で人間の元に行き
こうお願いしました。
「人間のそばで暮らす鳥たちを鳥もちで捕まえるのを
やめてください。」
人間はこう答えました。
「そんな約束はできない。しかし
おまえは賢く勇気があって感心した。
おまえはこれから人間の家に巣を作って安心して子育てしなさい。
人間はお前を決して捕まえたりしないから。」と。
それからツバメは毎年人間の家に巣を作るようになりました。