コイケさん「いわれのない物語」
俺の妻は数年前から
ある習い事に通っている・・
努力家の妻・・
俺は頭が下がる思いだ・・
ある日妻がこんなことを言ってきた。
「昇段試験の課題、出す前に先生が
悪い所をちょこちょこって
直してくれるんだわ・・
で、そのまま出すの。
はじめはびっくりしたけど、
皆のもやってるみたい。」
「・・・」
それは・・不正ではないのか・・
きっと正直者の妻は
良心の呵責に耐えかねて
俺に打ち明けてきたんだろう・・。
それにしてもこのところ
「受かった」という話を聞かない・・
先生が直してまで提出した課題が
なぜ受からない・・
まぁそれはどうでもいいことだ・・
とにかくこの話は
俺だけの胸におさめておかなければ
ならない・・
妻に罪はないのだ・・
いわれのない物語が
広がってはならないのだ・・。