レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

田辺聖子「よかった、会えて」

田辺聖子さんの中編です。



40過ぎの佐賀は
花の独身生活を謳歌していました。
会社を経営し、経済的にもまぁまぁ、
一人暮らしも慣れたもの・・。
しかし、
うどん屋で知り合い付き合っていた28歳の麻美に結婚を迫られ、
年貢の納め時と結婚を決めます。


佐賀にはもう一人、長年付き合って一緒に自宅で過ごすことも多い
年上の女、美晴がいました。
美晴は独身主義な上、さっぱりとした男前の性格で
佐賀が結婚のことを相談すると、
あっさり身を引き、
佐賀の部屋に私物を残していないかと
心配さえします。
佐賀は美晴を「なんとアッパレな女であろう」と
感心するのでした。


しかし結婚式の二日前、麻美が電話でこんなことを言い出します。
「おっさん(佐賀)の部屋に行ってみたら
壁の見えにくい所に口紅で『グッドラック』とびっしり
書いてあった。」と。


(美晴はそんな女では無かったはず・・)
佐賀はなんとか麻美を宥め、
結婚式当日を迎えますが、
時間になっても花嫁である麻美は姿を見せません。


時間が押してきて招待客が食事を始めた頃、
麻美と美晴が言い争いながら式場にやって来たのでした。
美晴が麻美の家に押しかけ、
麻美に
「絶対結婚させない」と宣言したというのです。


佐賀は絶望のあまり目を閉じて思います。
(やはり、女は女だ。)


佐賀は美晴に言います。
「一度は別れることにしたんだから・・
きちんとしてほしいねん、美晴さん。」


「何できちんとせんならんのん。」と美晴。


そこで佐賀の会社の共同経営者の大館が
割って入ります。
「取り込み中やけど、取引先が急いてるさかい
先に電話しといてや。仕事やさかい、
そこはきちんとしといてや。」


おわり


☆☆☆


’この三人は結局どうなるのでしょう??


☆☆☆


あたしとララちゃんとさるお君は大の仲良しよ!