「終わった人」内館牧子
そんなある日、
壮介は盛岡の母校の高校の野球部が
県大会の決勝に出場することを知ります。
応援のため帰省して
かつての同級生たちと同期会を開いた壮介は
友人たちに自分の現状を告白します。
友人の一人は壮介を
震災被害者を支援するNPOの活動に誘いますが
「今の自分には交通費さえ苦しい」と断ります。
家で主夫をして、働く妻を助けることが
妻への償いだと思ってもいました。
しかし故郷への思いと
自分を必要としてくれる場所に行きたいという気持ちを
消すことができませんでした。