レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

「寿司屋のかみさん エッセイストになる」

「寿司屋のかみさん エッセイストになる」を
読みました。



こんな話がありました。
おかみさんがまだ作家修行中の頃、


ある日常連さんが連れの女性に
「ここのおかみさんは文章を書いていて
新聞や雑誌に応募して掲載されてるんだよ」
と話すと、
その女性が
「寿司屋のおかみさんが何を書くの?
背中でも掻いているの?」と。


「もし私が医者や大学の先生の奥さんだったら
こんなことは言われなかったかもしれない」


その常連さんたちが帰った後、
隅で飲んでいた一人の中年の男性客が
子供の頃のことを話しだした。
「自分の家は八百屋をやっていて、
身体の弱い父のかわりに母が店に出ていた。
母は音楽が好きで
仕事が終わるとモーツァルトなどの
クラシック音楽を聴いて
疲れを癒していた。
それを学校で話すと担任の教師が
『八百屋がクラシックか』と・・
その時の悔しさがいまだに忘れられない」・・


こういうことは
そんなに珍しいことじゃないんですよね~。
うちは自営で父親は職人だったけど、
昔、母親が近所の奥さんに言われて
怒っていたことがあります。
その奥さんは
「うちの子、勉強が出来なかったら
職人にでもさせようと思う。」と言ったのだそうです。
世の中は先生と呼ばれるような人たちや
スーツにネクタイの人だけで
成り立っているわけでもないし、
どんな仕事でも、技術や知識の習得は必要だし、
大変さがあるものなのです。