ねこのくるみちゃん「手作りマフラー」
もうすぐクリスマス・・
お稽古でいつも隣の席に座る
くるみちゃんのお友達でお得意様のヤマモト夫人が
こんなことを言ってきました。
「今年のクリスマスは主人に毛糸のマフラーを
プレゼントしたいの・・
でも編み物なんて出来ないし・・
それでもうあまり日が無いけど
くるみさん、編んでくださらないかしら・・」
「ええ、それはいいですけど・・
でも頑張ってご自分で編んでさしあげたら・・
その方がご主人喜ばれると思うし、
難しいところは教えますから・・」
「えー、出来るかしら・・
でも、そうね・・編んでみようかしら・・」
それでヤマモト夫人はくるみちゃんに教わりながら
マフラーを編むことにしました。
☆☆☆
クリスマスイブ前日・・
ヤマモト夫人は何とかマフラーを完成させました。
「出来たわ!良かった・・イブに間に合った・・
くるみさんのおかげよ!」
「上手に編めてますよ!
それでこれはわたしから・・」
そういうとくるみちゃんはヤマモト夫人への
プレゼントの包みを差し出しました。
「お主人とお揃いになるようにと思って・・」
くるみちゃんは内緒でヤマモト夫人にマフラーを編んでいたのです。
「まぁ!くるみさん、ありがとう!
うれしいわ・・ペアのマフラーなんておしゃれよね!」
ヤマモト夫人は大喜びでした。
☆☆☆
クリスマスの後・・
ヤマモト夫人はくるみちゃんに会うと
こんなことを言いました。
「くるみさん、聞いて!
主人ったらね、わたしがくるみさんにもらったマフラーを見て
『そっちの方が綺麗に編めてるから、そっちがいい』ですって!
それでわたし言ってやったの。
『これはくるみさんがわたしに編んでくださった
大切なマフラーなんだから
あげられせんよ!』って!」