レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

愛憎の檻 藤沢周平

ある日、登が叔父の家でおちえと留守番をしていると
一人の人相の悪い男が怪我をしたと言って
やって来ました。


登はおちえを手伝わせて男の怪我を手当てしてやります。
刃物によるひどい怪我でしたが
男は名前も名乗らず治療費を払うと出て行きました。


それから数日後、登は牢で
新しく入った囚人の怪我の手当てをします。
蓑吉というその男は仲間と二人で商家に押し入り
強盗を働いたのですが、
逃げるとき、その店の雇い人と刃物でもみ合いになり
怪我をしたということでした。
蓑吉の相方はまだ捕まっておらず
蓑吉は相方の住処を吐きませんでした。


登は蓑吉の手当てをしながら、
ふと数日前に怪我の手当てをした
人相の悪い男のことを思い出しました。
それは蓑吉が仲間と強盗を働いた日と
同じ日でした。
おちえもその男の顔を見ていることから
登は危険を感じて
調べ始めます。


登が蓑吉の仲間の住処を突き止め踏み込むと
その男は登が手当てした男とは
別人でした。
ではあの男は一体誰だったのか・・
正体がわかるまではおちえを守ってやらなければ。
それでおちえの用事の際の送り迎えをしてやることに
したのでした。


☆☆☆


ある日、登がおちえと一緒に通りを歩いていると
おちえを呼び止める若い女がいました。
それはおちかというおちえの知り合いで
おちかの横には背の高い男が立っており
登とおちえはその男の顔を見てぎょっとしました。
それは登が手当てしたあの人相の悪い男だったのです。


「この前はうちの人が若先生のお世話になったそうで・・
やくざ者と喧嘩して怪我をして。」


「うちの人?」


「そう、この人相の悪い人が私のお婿さん。
喧嘩っ早くて顔もごついけど
こんな腕のいい職人は江戸にふたりといないって
親に結婚させられたのよ。」


清次郎という名前のその男は白い歯を見せて
登に感じよく挨拶しました。
「先生のおかげでよくなりました。」
不思議なもので
顔も心なしか優し気に見えました。


ふたりと別れた後おちえは登に
「一件落着したけど
私はつまらないわ・・」と顔を赤くして言いました。


もう一緒に出歩けないから・・


☆☆☆



根尾君、対ロッテ無観客試合に出場(*^-^*)
テレビ画面をスマホで撮りました~。


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ブログ「レモンタルトの夢」は中日ドラゴンズ根尾選手を
応援しています。