レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

春秋の檻

「落ち葉降る」 あらすじ


鋳かけ職人の平助は生来手癖が悪く、
若い頃から牢屋の出入りを
繰り返していました。


女房に愛想をつかされてからは
一人娘と二人暮らし、
娘のおしんは気立ての良い素直な娘で
近所の者たちからも可愛がられていました。


おしんは年頃になり、錺職人の清吉と夫婦になる
約束をしていました。


しばらくおしんのために身を慎んでいた平助ですが、
ある日目の前で若い男が落とした財布を
つい懐に入れてしまい、
牢に入れられてしまいます。


平助は登に「誰かにはめられたような気がしてならねぇ」と
こぼします。
登は笑って否定しますが
ある日おしんが仕事帰りに暴漢に襲われてしまいます。


登が会いにいくとおしんは
「婚約者に顔向けできない」と号泣するのでした。


それでも気丈は勤めに出ていたおしんですが、
ある日婚約者の清吉を刃物で刺したと
牢に入ってきます。


登がわけを聞いてもおしんは黙り込んだままでした。


登は馴染みの岡っ引きから下っ引きの直蔵を借りて
調べ始めます。


清吉はおしんと将来の約束をしていながら
親方の娘の婿にと望まれ承知して
おしんのことが邪魔になったのでした。


清吉は遊び仲間を使って
平助を牢に入れるように仕向け、
おしんを襲わせたのです。


おしんはそのことを
清吉の行きつけの飲み屋の女から
聞いてしまったのでした。


☆☆☆


平助が牢から出る日
登が平助に話します。


「清吉は命を取り留めたし
清吉がおしんにしたことは
私から吟味方にすべて申し上げてある。
お上も悪いようにされないだろう」


「おしんを頼んます、若先生」


平助はそういうと
泣きながら牢を後にしたのでした。