夢を買う その二


その夢というのはこんな風でした。


「となりの村の長者さんの屋敷の庭に
赤い椿が咲いておって
その中に白い椿がひとつだけある。
その真下を掘ると
お宝のぎっしり詰まった甕が出てくるんじゃ」


おじいさんは若者に言いました。
「わしはお金が無くて困っておる。
どうかこの夢を買ってくれんか」


若者はおじいさんを気の毒に思い
有り金はたいておじいさんから夢を買いました。


おじいさんと別れた後、
若者は隣の村に行きました。
そして長者さんの家に行くと
長者さんにおじいさんから買った
夢の話をしました。


長者さんは言いました。
「うちには白い椿は咲いてないし、
そんな甕の話も聞いたことがない」


でも長者さんは若者のことを気に入り
お屋敷で働かせることにしました。


若者はお屋敷の下働きとして
一生懸命働きました。


そして一年経って椿の咲く季節になり
若者はお屋敷の庭の赤い椿に
白い椿がひとつ混じっているのに
気づきました。


若者と長者さんが白い椿の下を掘ると
お宝のつまった甕が出てきました。


長者さんはたいそう喜び
若者にお宝の半分を渡しました。


若者はお宝を持って家に帰りました。


おわり