レモンタルトの夢

水彩画と色鉛筆イラストのブログです。

「鼻ききまごべえ」その一

「鼻ききまごべえ」その一


昔、まごべえというお店ものが、かみさんと一緒に
町はずれの古くて小さな家に住んでおりました。


まごべえがどんなに一生懸命働いても
かみさんは「金がない」と言って
まごべえにお粥しか食べさせませんでした。


まごべえはある日、店に行くふりをして
家の裏口からかみさんをのぞいてみました。


かみさんは小豆を炊いて、餅をつき、
魚を焼いておりました。


そして小豆餅を作り仏壇の引き出しに隠し、
魚は皿に乗せて長持に隠しました。


「やれやれ、おれの留守にひとりでごちそうを食べるつもりか。
ひとつとっちめてやろう。」


まごべえは忘れ物をしたふりをして
家に入ると
鼻をふんふん鳴らしながら
言いました。


「はて、仏壇の引き出しから
小豆餅のにおいがするぞ」


かみさんはあわてて
「おまえさまが腹をすかして帰ってくると思って
小豆餅を作っておいた」と
小豆餅を出してきました。


まごべえはなおも鼻をふんふんさせて
「はて、長持から焼いた魚のにおいがするぞ」


かみさんはあわてて
「おまえさまの稼ぎがよいので
魚を食べてもらおうと焼いておいた」と
焼いた魚を出してきました。


まごべえはかみさんにも小豆餅と魚を食べるように
言いましたが、
かみさんはまごべえの鼻ききにおそれをなして
箸も取れませんでした。


つづく


※※※


眠いのね~。