さるまさむね その六
さるまさむね その六
「なるほど、これをお礼に持ってくるために
ご状箱を持って行って
我々を待たせるようにしたんだな」
「知恵のあるサルだ」
ふたりが包みを開けて見ると
中には白木のさやに入った刀が一本入っていました。
さやから抜いて見てみると
それは素晴らしい立派な刀でした。
ふたりの飛脚は江戸に着いてから
その刀を目利きの人に見てもらいました。
すると「正宗」というひとが作った
たいそう値打ちのある刀だということわかりました。
ふたりは九州に戻ってから
その刀をお殿様に差し上げました。
お殿様はたいへんお喜びになり
ふたりには褒美を与えました。
そして刀には「猿正宗」という名前をつけて
家宝にしたということです。
おしまい。
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クリスマスにはまだ早いけど、
前に描いたイラスト。