さるまさむね その三
さるまさむね その三
「大きなタコだったな」
「捕まえて魚屋に持って行けばよかった。
惜しいことをした」
飛脚たちはそんな話をしながら
サルの方を見ると
サルは走って行って
道端に置いてあったご状箱を
拾い上げました。
「利口なサルだね。
荷物を拾ってくれたんだね」
「あれを忘れないようにと
こちらに持ってきてくれるんだね」
飛脚たちがそう言っているうちに
サルはご状箱をかついで
あちらの峠の上へ
どんどん走って行ってしまったのです。
(つづく)
恩知らず?