鬼のなまえ その三

鬼のなまえ その三


あくる朝、大工が川に行ってみると
鬼が言った通り大きな立派な橋がかかっていました。


大工が感心して橋を眺めていると
また鬼が川水から頭を出して言いました。


「約束通り橋をかけてやったぞ。
おれの名前はわかったか。
わからないならお前の目玉はおれがもらうぞ」


大工はあわてて鬼に
「もう一日待ってほしい」と頼みました。


鬼は「では一日だけ待ってやろう」と
川の中に戻って行きました。


鬼に一日待ってもらうことにしても
大工には鬼の名前などわかりません。


大工はあてもなくとぼとぼと歩き
森の中に入って行きました。


森の奥深くに行くと
そのうちに小さな子供たちが歌う声が
聞こえてきます。


「こんな森の中に子供たちがいるとは
おかしなことだ」


不思議に思い
大工はそっと声のする方に近づいて行くと
木のかげからのぞいてみました。


すると頭に小さな二本のつのの生えた
子鬼たちが歌を歌いながら遊んでいたのです。


つづく


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西洋朝顔ひとつ。