レモンタルトの夢

水彩画と色鉛筆イラストのブログです。

野菊と殿さま その二

野菊と殿さま その二


お屋敷を追い出されたのぎくは
父親の家に帰れば迷惑をかけると思い
村の寺の和尚さんに相談しました。


話を聞いた和尚さんはのぎくを気の毒に思い
寺の庭の小屋に住まわせることに
しました。


しばらくして
のぎくは赤ん坊を産みました。


それから何年も経ったある日、
殿さまはまた供のものを連れて
村に狩りにやってきました。


殿さまが木陰で休んでいると
向こうから物売りの男の子がやってきます。


殿さまが子供に「何を売っている」と
尋ねると、子供は
「黄金色のふくべ(ひょうたん)の種を売っています」と
答えます。


「黄金色のふくべがなる種があるのか」と
殿さまが言うと


「はい、ただしおならをしない人が蒔かないと
黄金色のふくべはなりません」


「この世におならをしない人間などおらぬ」


そう言う殿さまに子供は
「ではどうしてわたしの母はお屋敷を
追い出されたのでしょうか」
と言いました。


驚いた殿さまは子供に母親の名前を尋ねました。


「わたしの母の名前はのぎくといいます」


殿さまは子供とのぎくの住む寺に行き
のぎくに昔のことをわびました。


そしてのぎくと子供をお屋敷に連れ帰り、
ふたりはその後幸せに暮らしました。


人々は屋敷に奥方様が戻ってきたのを
「野菊が二度咲いた」と
言いあったそうです。


おわり


☆★☆


秋の切手(写真ちょっとボケてしまいました)