犬と猫とうろこ玉(1)
「犬と猫とうろこ玉」(1)
昔貧乏だけど心の優しいおじいさんがおりました。
ある日、おじいさんは
犬と猫が子供たちにいじめられているのを見つけて
助けてやりました。
おじいさんは犬と猫を連れて帰り、
とても可愛がってやり、
犬と猫も仲良しになりました。
ある時、おじいさんの庭先に
白い小さな蛇があらわれました。
かわいらしい蛇はおじいさんになつき、
おじいさんは自分の箪笥の引き出しにいれて
育ててやることにしました。
やがて蛇は箪笥の引き出しに入り切れないほど
大きくなりました。
おじいさんは「おまえはすっかり大きくなったから
もう外に出て自由に暮らすといい」と言い、
おじいさんが蛇を庭に放すと、
蛇は松の根元の穴にするっと入っていきました。
おじいさんがその穴をのぞくと
何かきらりと光るものが見えます。
それは金のうろこがびっしりついている
うろこ玉というものでした。
おじいさんはうろこ玉を箪笥の引き出しにしまいました。
うろこは毎日一枚づつはがれ落ちます。
おじいさんがはがれたうろこを売ったお金で
呉服屋をはじめると
またたくまに繁盛するようになりました。
(つづく)
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仔犬のリーコ