レモンタルトの夢

水彩画と色鉛筆イラストのブログです。

写真(一枚)日本昔話

昨日の記事にコメントいただいておりますが
(ありがとうございます!)
お返事少し遅くなります。すみません。


今朝の朝顔

赤い方は花が小さいです。


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「鉢かづき姫」(長いです)


昔あるところに鉢かづきと呼ばれる
心のやさしい娘がおりました。
その鉢は、娘の母親が亡くなる時に
娘を枕元に呼び寄せ
「これで観音様のお守りがあるでしょう」と
娘の頭にかぶせたもので、
誰がどんなに力を入れてひっぱっても
けっしてはずれることありませんでした。
鉢はとても重いものでした。


やがて娘の家には新しい母親がやってきました。
母親は鉢をかぶった娘を疎ましく思い、
父親にあれこれ吹き込み、
娘を家から追い出してしまいました。


娘は亡くなった母親のもとに行こうと川に入りましたが
鉢が水に浮いてそれもかないません。
鉢をかぶった娘に子供たちは石を投げました。


そこに馬に乗って通りがかった中将が
娘を気の毒に思い、屋敷の風呂炊きとして
連れて帰りました。


娘は恩に報いようと骨身を惜しまず働きましたが
屋敷で働く者も、四人いる中将の息子の上三人も
鉢をかぶった娘を物笑いにしました。
でも一番末の心の優しい息子だけは
なにくれとなく娘に声をかけ、
そのうちに二人は心を寄せ合う仲になりました。


末息子は中将に結婚の許しを願いましたが
中将は末息子と下働きの娘の結婚を許しませんでした。
それでもあきらめない末息子に
「それならば三人の兄の嫁たちと鉢かづきと
嫁比べをして、勝つことができたら
結婚を許そう」と言いました。


娘は「嫁比べに勝つなど無理なこと。
わたしは出て行きます」と言います。
末息子も娘と一緒に、と
ふたり月明かりの中、
屋敷を出て歩きはじめました。


すると月がひときわ輝きだし、
娘の頭の鉢を照らし出すと
鉢が割れ、美しい娘の顔と
金銀の財宝があらわれました。
末息子は鉢がはずれた娘を家に連れて帰りました。


娘は嫁比べで姿のよさも歌や楽器の上手さも
ひときわ抜きん出、まわりを驚かせました。
ふたりは中将から結婚を許され
末長く幸せに暮らしました。