レモンタルトの夢

水彩画と色鉛筆イラストのブログです。

写真(3枚) 日本昔話

朝顔。今朝は五つ咲きました。


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「たにし長者」


昔働き者で信心深い百姓の夫婦がおりました。
夫婦には子供がおらず、
毎日水神様に
「どうか子供をさずけてください」と
お参りしていました。
願いが届けられ、妻は子供を産みましたが、
それは小さなたにしの子供でした。


ふたりはそれでもたいそう喜んで
たにしの子供を大切に育てましが、
20年経ってもたにしの子は変わらずたにしのままでした。


ある日父親が庄屋に持って行く米を
馬に積んでいると、
たにしの子供が「おとうさん、今日はわたしが
馬を庄屋に連れて行くよ」と言います。
そして馬の頭の上に飛び乗ると
馬を上手にあやつって、
庄屋の家まで連れて行きました。


たにしの子供は庄屋に礼儀正しく挨拶を
しました。
庄屋はたいそう感心して
自分の娘の婿にしたいと考えました。
そこで娘に聞いてみると、
娘は「おとうさまの選んだ人なら
わたしはきっと幸せになれるでしょう」と
たにしと結婚することを承知しました。


たにしと娘は結婚すると、
お互いに思いやり、両方の両親も大切にして
仲良く暮らしました。


ある日たにしは妻に
「水神様にお参りに行こうと」と誘いました。
二人は並んで水神様までの道を歩きましたが
途中で田んぼにさしかかると
たにしは妻に「わたしは少し疲れたので
ここで休んでいるから、おまえだけ水神様に
お参りに行きなさい」と言いました。


それで妻は一人で水神様に行くと
「どうかだんなさまを人間にしてください」と
一心にお願いしました。
そして急いで田んぼに戻りましたが、
たにしの姿がどこにも見えません。
妻は田んぼに入ってたにしを探しまわりました。
「わたしは今のままで十分幸せです。
なのでたにしのだんなさまを返してください」と
また水神様にお願いしました。


すると妻の目の前に立派な若者が現れ
やさしい顔で笑うと
「お前が水神様にお願いしてくれたおかげで
人間の姿になれた」と言いました。
妻は涙を流して喜び
ふたりは手を取り合って家に帰りました。


それのちふたりは庄屋の家を継ぎ
かわいい子供にも恵まれ
末長く幸せに暮らしました。