レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

東北の民話

昔、あるところに
子供のいない夫婦がおりました。


ふたりは子供が欲しくてたまらず、
毎日観音様にお参りして
「どんな姿かたちの子でもいいので
わたしたちに赤ん坊を授けてください。」と
お願いしました。


その甲斐あって、ふたりに赤ん坊が出来ましたが、
生まれた男の子は蛙の姿をしていました。


それでもふたりは「観音様から授かった大事な子」と
子供を大切に可愛がって育て、
子供も素直で親孝行な心優しい子に育ちました。


蛙息子はいい年頃になり
まわりの同じ年頃のものたちは
次々に嫁をもらいました。


「うちの息子は蛙の姿をしているから
嫁をもらえないのか」と
父も母も嘆きましたが
蛙息子はふたりにむかってこう言いました。


「ふたりとも心配しないでください。
これから旅に出て、よい嫁を探してきっと連れてきます。
それで蕎麦の粉を一袋持っていきたいので
用意してください。」


蛙息子は蕎麦の袋を一袋持って
嫁探しの旅に出ました。


つづく



お店の前でコイケさんを待つ・・。