小さな手紙 〜レモンタルトの夢〜

イラスト、昔ばなし、愛犬の写真など

鬼の家

昔、一人の若者が旅の途中

山の中で日が暮れて

老夫婦の住む一軒家に宿を求めました。


二人とも心良く若者を迎え

風呂に入るようにすすめました。


若者が風呂に浸かって

疲れを取っていると

何やら夫婦が話合っているのが

聞こえてきます。


「今日は久しぶりにご馳走ですね」

「そうだなぁ、手打ちがいいか、

半殺しがいいか、

風呂から出てきたら聞いてやろうか」


若者はびっくり仰天、

親切な夫婦かと思ったら

鬼の夫婦だったとは。


若者は着物を着ると

裏口からこっそり出て

走って走って山を降りました。


☆☆☆



自分の村に帰った若者が

この話を人にすると

その人はこう言って笑いました。

「.そいつはとんだ勘違いをしたものだな。手打ちとは蕎麦のことだし

半殺しはぼた餅のことをそう言うんだよ」