いたずらたぬき 二
村中寝静まっており
誰も火事に気がつきません。
そこでたぬきは
出来るだけ半鐘の音に似せた
大きな鳴き声を上げながら
村中を駆け回りました。
それで三平どんや村人達は火事を無事消し止めることできました。
「あの半鐘は一体誰が鳴らしたものか?」
村人達は一様に首を傾げました。
ところが翌朝、
お寺の門の前で口から血を流して
たぬきが亡くなっているのが
見つかったのです。
「たぬきはいたずらのお詫びがしたかったのじゃろうて」
村人達はたぬきのことを不憫に思い
小さな祠を建てて
たぬきを祀ってやりました。
おわり