いたずらたぬき 一
昔ある村にいたずらが大好きなたぬきが住んでいました。
たぬきは特に若い三平どんをしょっちゅうからかって
村人たちはたぬきを捕まえようと躍起になっていましたが
なかなか捕まえられません。
村の和尚さんだけがたぬきの住処を知っていましたが
和尚さんはたぬきを可愛がっていたので
誰にも教えませんでした。
たぬきも和尚さんのことを慕い
お寺に行っては
有難いお話を聞いたり
していました。
ある風の強い冬の夜、
お寺から住処に帰る途中
たぬきが三平どんの家の前で通りがかると
庭の焚き火のあとの残り火が
風で舞い上がり
三平どんの家の藁屋根に
燃え移ってしまいました。