小さな手紙 〜レモンタルトの夢〜

イラスト、昔ばなし、愛犬の写真など

おこう 平岩弓枝

19になるおこうは、

実家の呉服屋で姉夫婦と一緒に暮らしていました。


両親亡き後、店を引き継いだ姉夫婦は

おこうをいいようにこき使っていましたが、

働きもののおこうは子守に家事に

骨身を惜しみませんでした。


そろそろ行き遅れと言われる年頃でしたが

持ち込まれる縁談は姉のおくにが

難癖をつけて断ってしまっていました。


おこうは外に遊びに行く機会も無く、

恋人を見つけることも出来ません。


☆☆☆


ある日、すでに嫁いでいるもう一人の姉のおきよが

おこうの見合い話を持ってきました。


相手は大店の跡取り息子でした。

姉夫婦はやはりいい顔をしません。


しかしおきよは大いに乗り気で

おこうはおくにのお古の着物を着て

見合いの場となる、おきよの家にむかいました。


おくにが着ると野暮ったくなるその着物も

おこうが着ると

すっきりと垢抜けた感じになるのでした。


☆☆☆


見合いの席で相手の男はおきよの亭主と商売の話ばかりして

おこうはまるで無視されたように

なっていました。


丁度おきよの家の近くでお祭りがあり

おこうはおきよの子供たちにせがまれて連れて行くことにしました。


そこでおこうは昔近所に住んでいた

源太郎と再会します。

源太郎はおこうより3歳年上で

両親は下駄屋を営んでいました。


続く