だんまり嫁っこ その一


昔ある村のお寺に和尚さんとひとりの小僧さんが
住んでいました。


その地方では婚礼があると
村の若い衆が「お嫁さんがお地蔵さんのように
その家に腰を落ち着けられるように」ということで
お地蔵さんを運びこむという
習わしがありました。
若い衆にはお礼に餅をふるまわれます。


さてある日村で婚礼があるというので
お寺の小僧さんは朝からそわそわしていました。
婚礼の時にはお寺にもその家から
餅が届けられることになっていたからです。


でも夕方になっても
一向に餅は届けられません。
和尚さんと小僧さんが「おかしいな」と
思って待っていると、
婚礼の家から花婿がやってきて
こう言いました。
「嫁がお地蔵さんのように
口をきかなくなってしまった。
どうにかしてもらえまいか。」


それで和尚さんと小僧さんは
花婿と一緒にその家にむかいました。


つづく




2016年11月