小さな手紙 〜レモンタルトの夢〜

イラスト、昔ばなし、愛犬の写真など

人魚姫 その三

魔女からもらった薬を飲んだ人魚姫は
気がつくと浜辺に横たわっていました。
でもまともに立つことも歩くこともできません。


そこに供の者を連れた王子が通りがかりました。


「きみはどこから来たのかい?」


口もきけず、歩くこともできない人魚姫を
王子は自分の城に連れて帰りました。


「きみとは前にどこかで会ったような気がするのだが、
思い違いなのかな」


人魚姫にはその問いに答える術がありません。


人魚姫は城で暮らすことになりました。


王子は人魚姫を馬に乗せて
あちらこちら連れて歩いたり
いろいろ話しかけたりしました。


そのうちに王子は問わず語りに
自分が海で遭難した時のことを
話しました。


「自分を助けてくれたのは
海辺の修道院の女性らしいのだが、
もしそうだとしたら
もう一度会うことは叶わないだろう」


残念そうに話す王子を
人魚姫は悲しく見つめることしか
出来ませんでした。


さてそのうちに
王子に縁談が持ち上がりました。
相手は隣国の王女でした。


そして驚いたことに
その王女は海辺で王子を助けた
女性だったのです。


王女は行儀見習いのために
修道院に預けられていたのでした。



***


猫チャン。