彦一ばなし(朝顔)その一
彦一は朝顔を育てる名人で
毎年心を込めて育てていました。
小鳥がたまごを温め、雛を育てるように、
タネを土に埋め、双葉に水をやりました。
その年も彦一の作った朝顔の鉢植えはよく出来て
お盆の頃、見事な花を咲かせ始めました。
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彦一はお盆の挨拶にお城に参りました。
彦一は殿さまの大のお気に入りです。
殿さまは彦一に朝顔の出来具合を尋ねました。
彦一は
「はい、今年も綺麗に咲いております」
すると殿さまは
「ほほう、そうか、わしも一度そちの朝顔を
見てみたいものだ」
「では明日にでも十鉢ほどお城にお持ちしましょう」
「なに十鉢も持ってきてくれると申すか。
ずいぶん沢山作っておるとみえるな。」
「はい、みなで百鉢ほどは
あるかと思います」
「さようか、それはさぞかし見事なものであろう。
せっかく見るのであれば、
そのほうの庭で
百鉢の朝顔がパッと咲き揃ったところを
是非見たいものだ」
「はい、ありがたき、しあわせ。
いつなりと、お殿様のご都合のよい時に
どうぞ是非お越しくださいませ」
彦一はうっかりこう答えてしまいました。
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話題沸騰、「みたらしにゃんこ」
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このお話は少し長めになるかもしれないので
よろしくお付き合いください(*^_^*)