灰坊たろう その一

昔のこと。
ある村に朝日長者、夕日長者と呼ばれる家がありました。


ある年朝日長者の家の嫁さんが小さな男の子を残して
亡くなり、
困った旦那さんは後添えをもらいました。


ところがその後添えは生さぬ仲の男の子を
疎ましく思い
旦那さんにこう言いました。
「最近どうも身体の調子が悪いと思い
お医者に診てもらったら
男の子の肝を食べないと治らないと言われた。」
そして子供の肝を食べさせろと迫りました。


旦那さんは飼い犬と子供を連れて
山に行きました。
そして飼い犬の腹を捌いて肝を取り出すと
子供にこう言いました。
「お前はもう家に戻ってはいけないよ。
今日のところはこの山の中で眠りなさい。」
そして犬の肝を持って家に帰ってしまいました。