レモンタルトの夢

水彩画と色鉛筆イラストのブログです。

昔話「ぼうたろう」(1)

「ぼうたろう」


昔ある村に若い夫婦が住んでおりました。


ふたりはとても仲良く暮らしていましたが、
子供がいないことだけを寂しく思っていました。


ある年の冬、およめさんは風邪をこじらせて
あっけなく死んでしまい、
だんなさんはそれから
ひとり寂しくぼんやりと暮らしていました。


ある嵐の夜に
だんなさんは誰かが家の戸をたたく音に
気がつきました。
開けてみると若い娘が立っていて
「嵐で道に迷ってしまいました。
一晩泊めてください」と言います。


気の毒に思っただんなさんは
娘を泊めてやることにしました。


娘はどこか死んだお嫁さんの面差しに
似ているようでした。


翌朝になっても娘は帰ろうとせず、
聞けば「身寄りがないので
このままこの家に置いて欲しい」と言います。
娘は
家の中のことをこまごま片付け、
だんなさんの世話をしました。


しばらくしてだんなさんと娘は
夫婦になることにしました。


(つづく)


ムーミン谷