続き
そんなある日、
信吉の姪の加代が弟を連れて
嘉平達を訪ねてきます。
11になる加代は近所から
ちっちゃなかみさんと呼ばれるほど
しっかりした子供でした。
「兄ちゃんが毎晩こっそり泣いている。
お京さんと名を呼ぶのも聞いた。
もしやこちらのお嬢さんではないかと思ってやってきました。」
加代に嘉平は
「兄さんにうちに婿に来てもらう話があったが、もうなくなったよ」
そう話すと
加代は
「自分はもう11だし
子守でも掃除でも何でも出来る。
弟とこっそり家を出て
二人でやっていく。
だから兄ちゃんをお婿さんにもらってほしい…」
子供らしく泣きじゃくりながら
そう訴えるのでした。
続く