彦一ばなし(鳥売り)その二
彦一は与作のお父さんに
カラスを10羽獲って来てもらい、
ふたつの籠に半分づつ入れ蓋をし、
蓋の隙間に雉の長い尾羽根を
よく見えるように挿し込みました。
彦一はその籠を天秤棒にかけて
肩に担ぎました。
やがて町に入ると
彦一は大きな声で
「カラス、カラスはいらんかね」と
呼びかけながら歩いて行きました。
町の人たちは
「おや、間抜けな子供だ。
雉をカラスだと言って売りに来た」
「子供が気づかないうちに買ってやろう」
そう囁きあって、
彦一に駆け寄りました。
つづく
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サクランボのお洋服、お気に入りでした。